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食欲不振対策のツボ。

食べることは、すなわち『生きること』であります。
食はお腹が空いたら食べ、満腹になったらやめるという以外にも、
楽しみ・慰め・ご褒美をなったり、家族や友人仲間と共にという
社交的な面もあり、まさに生活に溶け込んだ行動もあります。

この食事に関する行動(食行動)には流れがあり、
初めに先行刺激があり、そこから食行動へと移り、
最後に結果が伴います。

【先行刺激】
外的刺激:時刻・場所・人・食べ物(実物・匂い・イメージ・
ネット動画・テレビ・映画・読書・広告媒体など

内的刺激:空腹感・疲労感・不安・憂鬱・手持ち無沙汰・
イライラ・後悔・怒り・孤独感など


【食行動】
食べ物の種類と量・速度・咀嚼回数など

【結果】
(短期結果)満足感・リラックス・不安怒りの緩和・気晴らし・
食欲増進・自責感・吐き気・腹痛・下痢など

(長期結果)体重 体調 体型の変化・生活習慣病の危険・
容貌の変化・衣服の不経済・自尊心・気分の変化など

(ライフスタイル療法Ⅰ第5版より)

心身が健康な状態ならば、食欲は自然と湧いてきます。
しかし、何かが原因で、
「お腹が空かない」
「食べたくない」
「空腹感はあっても普段通りに食べられない」
「食事が喉を通らない」
などの食欲の低下を招くことがあります。

今回はこうした「食欲不振」について焦点を当てていきます。

食欲不振とは、体調不良や病気などの際に多く見られる
初期症状の一つでもあります。
まず西洋医学からみた原因としまして、
「社会的要素」「精神・神経学的要素」「器質的要素」
というものが挙げられます。

【社会的要素】
独居・貧困・不十分な介護・福祉・虐待・災害避難など

【精神・神経学的要素】
神経性食欲不振症・うつ病・双極性障害・不安障害・
統合失調症・パーキンソン病・慢性疼痛など

【器質的要素】
義歯の不適合・認知症・逆流性食道炎・食道狭窄・
慢性便秘・肺癌・膵癌・消化器癌・肝炎・胆石症・肝硬変・
尿毒症・腎不全・COPD・肺結核・糖尿病・甲状腺機能異常・
関節リウマチ・結核など

また、3つの要素にそれぞれまたがるものもあります。

【社会的と精神・神経学的要素】
認知症・薬物依存

【精神・神経学的と器質的要素】
薬剤

【社会的と器質的要素】
医療過疎

【社会的と精神・神経学的と器質的要素】
社会的孤立

(medicina 62巻4号増刊号 総合力で対応するEmergency/Intensive Care Medicine
第2章 症候別アプローチ病棟急変やERにおける対応 18 食欲不振より)

次に東洋医学からみた食欲不振の原因としまして、
下記のものが挙げられます。

【脾胃虚弱(ひいきょじゃく)】
(原因)消化器系が弱い、食事の不摂生による消化器系の機能低下、過労によるもの。
(症状)空腹感がない・食後の膨満感・息切れ・倦怠感・じっとしても汗が出る

【脾胃湿熱(ひいしつねつ】
(原因)食事の不摂生により消化器系の機能が低下し、そこから余分な水分と
過剰な熱が発生したことによるもの。
(症状)みぞおちがつかえる・吐き気・嘔吐・口の中が粘る・尿が黄色い・軟便

【食滞胃脘(しょくたいいかん】
(原因)過食により、未消化物が胃に停滞することによるもの。
(症状)みぞおちの張り・胸やけ・お腹を押されると嫌がる・便秘・
おならやげっぷが頻回に起きる。

【胃陰虚(いいんきょ】
(原因)辛いもの、味の濃いもの、脂っこいものの過食から、胃に熱が生じて、
胃の陰液が不足したことによるもの。
※陰液・・・体を潤し、栄養を与える水分のこと。
(症状)空腹感あっても食べたくない・食べても多く食べられない・
みぞおち周囲の焼けるような痛み・胸やけ・胃痛・口臭が出る・
胃液が込み上げてくる・吐き気・胃のむかつき・口が渇く・舌唇の乾燥・
便秘・歯肉炎・口内炎

【肝鬱気滞(かんうつきたい)】
(原因)強い緊張感、ストレス、一時的な激しい感情から
エネルギー・血液・水分を全身へ巡らす機能が弱まり、
胃腸の消化吸収の機能を滞らてしまうことによるもの。
(症状)腹痛・下痢と便秘を繰り返す・強い胃痛・嘔吐・吐き気・
イライラ怒りっぽくなる・鬱屈した気分になる・頭痛・
肋骨下のが張り、押すと痛みや不快感がある・脇腹が張る・
梅核気(ヒステリー球)・おならは出るが大便がスッキリ出ない


(新版東洋医学臨床論《はりきゅう編》より)

ということで、
今回は「食欲不振対策のツボ」を幾つかご紹介します!

体は声を発しませんが、
代わりに痛みや辛さで訴えてきます。
どのツボが良いかと迷われる時は、
今回紹介しましたツボの中から今の自分が気になったり
痛かったりする場所に近いところを選び、
まずはお灸やツボ押しをしてみてください。


胃腸の機能改善
中脘足三里陰陵泉・胃の六ツ灸(膈兪肝兪脾兪)
神経性食欲不振症
巨闕中脘・胃の六ツ灸(膈兪肝兪脾兪)・胃兪百会
脾胃虚弱
中脘建里神闕気海天枢内関・胃の六ツ灸(膈兪肝兪脾兪)
脾胃湿熱
中脘曲池内関足三里上巨虚内庭陰陵泉三陰交
食滞胃脘
上脘中脘下脘天枢足三里上巨虚内庭公孫
胃陰虚
太渓三陰交足三里解渓内庭曲池胃兪
肝鬱気滞
期門関元中極太衝肝兪梁丘三陰交

各ツボは、アメーバブログ 「はりとお灸の豐春堂ブログ」の木曜コーナー
「お灸をしよう!」にリンクしております 。


日頃の対策としましては、
まずは生活習慣と環境の改善が基本となります。
ストレスや過労に繋がることは避け、十分で質の良い睡眠時間を確保し、
運動する時間と習慣を設けるなどといった規則性のある生活リズムを
維持することが大切となります。


東洋医学的養生としましては、
まず体調不良時に起きる食欲不振は、胃腸への負担を避けるために
体が自然に発する防衛反応ですので、無理に食事を摂らないことも
方法の一つとなります。

また食欲を増進させる手立てとしましては、「薬味」の活用も
効果的です。
代表的なものとしまして、ネギ、生姜、大葉、ミョウガ、
ワサビ、ニンニク、唐辛子、みつ葉、柚子、大根おろし、
海苔、鰹節といったものがあります。
これらを適度に使うことにより、味や香りの変化が出て、
食欲増進の手助けにもなります。更に薬味には、漢方薬として
使われているものもあり、消化吸収の手助けにもなります。


東洋医学の古典に『素問』という書があります。
その中の『上古天真論』の一節に、意訳とはなりますが、
こう記されております。

「日々の健康に留意して、体に良くなことや無理なことは避けると共に、
物事の損得ばかり考えず、雑念に囚われず、心穏やかに清らかで静かな
生活を過ごしていれば、体はエネルギーに満ち、心も擦り減ることはない」

また貝原益軒『養生訓』にも、健康維持の原則としてこうも記されております。

「養生の道は中庸(ちゅうよう)を守らねばならない」
※中庸・・・極端に偏らず、過不足なく調和がとれている状態のこと。

食欲は、その時の感情や精神状態に大きく左右されます。
感情の起伏が起きやすく、ストレスのかかりやすい環境からは距離を置き、
出来る限り自分が丁度良い加減のところに身を置くことも方法の一つとなります。

食事というのは、人の様々な感覚を働かせる時間でもあります。

キッチンから聞こえる調理や咀嚼の音『聴覚』
食器に乗せられた料理を見る『視覚』
料理から発せられる匂い『臭覚』
口に入れた際の味と食感『味覚』『触覚』

こうした一つ一つの感覚を少しずつ丁寧に感じ取りながら、
改めて食事の時間を考えてみることも良いかもしれません。


食欲とは、人の心と体にとても密接な関係にあるものであります。
日々のストレスに自分から近づき飲み込まれることなく、
もっと俯瞰し、日々中庸な生活を心掛けていきましょう。