不眠対策のツボ。
人が快適で健康的な生活を送るために必要な3要素と言えば、
『睡眠』『食事』『運動』であります。
その中でも『睡眠』は、
心身の疲労回復だけでなく、
内臓や筋肉を修復・再生をしたり、
免疫力の回復させたり、
記憶を定着させたり、
また成長期では、
「寝る子は育つ」とも言いますように、
成長ホルモンが分泌されるための時間でもあります。
しかしながら、
日本人は、世界的に見ましても睡眠時間が短いと言われており、
かつ現代では5人に1人が『不眠』で悩まれております。
不眠も『入眠困難』『中途覚醒』『早朝覚醒』といったものがあり、
日中の日常生活に支障をきたす場合もあります。
原因としましては、
昼夜逆転した生活であったり、
暑さ寒さ
寝具が合わないといった環境によるもの、
日々のストレスで緊張や不安が取れないことから来る心理的なもの、
体は疲れていながら脳が起きてしまう過労によるもの、
カフェインやアルコールの過剰摂取、喫煙、暴飲暴食といった飲食によるもの、
首肩こり・五十肩・耳鳴り・花粉症・咳症状・夜間頻尿
といった身体的症状によるものと多岐にわたります。
最近では、寝る前までスマホを見続けているというもの
不眠の要因の一つであります。
こうしたことにより長く不眠になりますと、
日常生活においては、倦怠感・意欲や集中力の低下・注意力判断力が鈍る、
感情のコントロールが効かなくなる、頭重感・めまいなどといった
症状が慢性的となってきます。
また肥満・高血圧・糖尿病といった生活習慣病だけでなく、
認知症のリスクも高める恐れがあります。
ということで今回は『不眠対策のツボ』を
幾つかご紹介いたします!
体は声を発しませんが、代わりに痛みや辛さで訴えてきます。
どのツボが良いかと迷われる時は、今回紹介しましたツボの中から
今の自分が気になったり痛かったりする場所に近いところを選び、
まずはお灸やツボ押しをしてみてください。
生活習慣の乱れによるもの:百会・顖会・天柱・風池・完骨・肩井
ストレスによるもの:太衝・内関・神門・百会・風池
脳が休まらないことによるもの:合谷・内関・足三里・三陰交・百会・神庭・風池
飲食によるもの:内庭・豊隆・中脘・曲池・神門・三陰交・足三里
過労によるもの:復溜・太渓・三陰交
嗜眠(常に眠気が襲う)によるもの:足三里・豊隆・陰陵泉・太白・神闕・太渓・腎兪・関元
他の痛み症状などによるものは、患部の治療も併せて行います。
首こり対策のツボ
五十肩対策のツボ
耳鳴り対策のツボ
頻尿対策のツボ
各ツボは、アメーバブログ
「はりとお灸の豐春堂ブログ」の木曜コーナー
「お灸をしよう!」にリンクしております。
他の痛み症状などは、それぞれの「対策のツボ」
ブログをご参照ください。
また日頃の対策としまして、
まずは部屋の温度湿度や照度といった
自分に合う睡眠環境の改善をしてみましょう。
例えば睡眠に入る1~2時間くらい前から部屋の明かりを
暗めにしておくのも良いかと思います。
ですから、寝る直前までスマホを見ていたり、
気になるかとスマホを枕元に置くのは、
不眠の助長に繋がりますので、
控えることも大切なことです。
また睡眠のリズムを乱さぬように、
出来る限り同じ時間に起床することも大切です。
カフェイン・ニコチン・栄養ドリンクといった強壮剤の過剰摂取、
寝酒、就寝直前の食事、食べ物では刺激の強い辛い物、
熱性の食べ物というのも不眠の原因となりますので控えておきましょう。
一方で睡眠に良い食べ物と言えば、
『幸せホルモン』と言われるセロトニンの材料となります
トリプトファンを含んだ食材です。
卵・ 大豆製品・乳製品・魚類・肉類といったものに多く含まれております。
特に朝食で摂取しておきますと、日中作られたセロトニンが
約15時間くらいで『睡眠ホルモン』と呼ばれるメラトニンへと変化し、
有眠効果をもたらします。
更にセロトニンを即すには、
朝日を浴びておくというのも方法の一つです。
加えて朝のウォーキングやストレッチなどで、
体を動かしておきますとより効果的です。
通勤通学時での歩きや自転車というのも
活用していきましょう。
もし寝床に入ることが苦痛と感じるならば、
無理せず眠くなった時だけ寝床に入り、
眠れない時は寝床から出てしまい、
「寝ることが苦痛である」
と自分自身に植え付けないことが肝要です。
また不眠による睡眠不足により、
日中睡魔に襲われたり、
眠気が取れないと感じている場合には、
昼寝の活用というものもあります。
昼寝は午後2時より前までに行い、
大体15~30分昼寝をしておきますと、
日中の眠気を解消し、
爽快感と集中力の回復に繋がります。
寝る動作において大事なことは、
体を脱力させるとこであります。
この脱力には『体の緊張と緩和』を使います。
まずは緩和の動作。
布団ベッドの上で仰向けになり、
肩の力を抜きます。
軽くあごを引き、
手の平を上に向け、
腕を少し体から離し、
足を肩幅程度に広げた状態になります。
目線を遠くに合わせ、
そこからゆっくりと視野を広げていきます。
呼吸は数呼吸1に対して吐く呼吸を2とし、
吐く呼吸だけに集中していきます。
落ち着いてきたら静かに目を閉じ、
今度は背中が布団に沈んでいくような感覚で
どんどんと脱力させていきます。
次に緊張の動作。
仰向けとなり、
みぞおち付近で手を組み左右で引き合います。
合わせて足に力を入れてピンと伸ばし、
足首を体の方へ反らすように
アキレス腱を伸ばしておきます。
その状態で5秒キープしたら、
パンと組んでいた手を離しますと、
同時に力を入れていた足も脱力して、
体全体が緩みます。
良質な睡眠は、
日々の健康で充実した生活のために大切なものであります。
そのためには、眠れるための環境づくりと合わせて、
体質改善というものも大事な要素となります。
その中で、鍼灸というものが少しでもお役に立てれば
何よりです。
2024年7月24日 3:07 PM| カテゴリー : ツボ対策